ジャストプランニング(4)

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今日は事業環境に関する分析を少ししてみたい。

まず、同社がターゲットとしている外食業界全体の市場規模は次のグラフの通りである。全体で30兆円にも達する超巨大産業であるが、典型的な衰退産業でもある。市場全体の成長はピークアウトしており、ここ数年は横ばいまたは減少傾向にある。したがって、同社が成長するためには市場全体と一緒に伸びていくということは期待しにくいので、限られたパイの中で如何にシェアを伸ばしていくかということが重要になってくる。


では、同社の市場における存在感はどんなものなのだろうか?次のグラフは、外食産業における従業員数規模別の企業数および店舗数の分布である。同社の顧客となるのは、チェーンオペレーションを行っている企業の中でも中規模のところである。あまりに小規模であれば、同社のASPを利用する必要が無いかもしれないし、必要でも導入するだけの体力が無いかもしれない。また、大規模な事業者であれば自社固有の仕様で専用のシステムを開発して使うだろう。具体的にどれくらいの規模の企業が想定顧客層か、正確にはわからないが、例えば、かなり広めにとって従業員数50人から2000人までの企業をターゲットとしたとすると、企業数は2,292社、店舗数は25,159店となる。同社の現在の契約顧客数は244社(4,050店舗)だから、同社のシェアは概ね10%から20%間くらいと想定される。想定顧客層をもう少し絞り込んだとすると、シェアは概ね30%未満くらいだろうか。この10%から30%くらいの数値を小さいと見るか、大きいと見るかは難しいところではあるが、まあ、まだ拡大の余地はあるだろう。事業運営次第では、外食産業の中でもまだまだシェアを伸ばしていくことは可能であるわけだ。

ちなみに、同社は外食産業向けの「まかせてネット」の次の柱として、理美容業界向けのASPを開発し拡販していくらしい。これが次の柱に育つのであればなかなか有望でないだろうか。


次に同社(以下、JP社)の競合環境についてみてみると、ユニバーサルソリューションシステムズ株式会社(以下、USS社)という会社が外食産業向けのASPサービスを手がけており、事業領域がかなり被っている。USS社の特徴は、資本的にも人的にもベンチャーリンク系であること、想定顧客層が大規模飲食チェーンであることである。例えば、USS社の売上の2割はレインズインターナショナルとのその関連会社であるコスト・イズに対するもので占められている。

したがって、一応独立系の企業であり、中小規模のチェーンを想定顧客としているJP社とUSS社とはもしかしたら直接は競合しないのかもしれないが、一応、2社の比較をしてみたい。次のグラフは、2社の売上高と利益率を比較したものである。JP社が順調に売上を伸ばしているのに対し、USS社は売上が減少傾向にある。また、前回までの記事で見てきたようにJP社の利益水準がかなり高いのに対し、USS社の利益水準はかなり薄い。というか、直近2年間はUSS社は大きな赤字を計上している。


この収益性の違いがどこから出てくるのかというと、おそらく1つは生産性の違いだろう。次のグラフは、2社の1人当たり売上高を比較したものである。JP社が僅かずつではあるが着実に生産性を改善しているのに対し、USS社は生産性を着実に悪化させてきている。おそらく、USS社はレインズなどのベンチャーリンク系の大口顧客を抱えることで効率のよい事業運営を行っていたものと推測される。それが、レインズの業績不振やMBO(正確にはレインズの親会社のレックスだけど)によるベンチャーリンクとの資本関係の断絶などにより、USS社の売上を低下させてきたのだろう。そして、それを補うための新規事業や新システムを立ち上げようとしたら人が増えて生産性が悪化してしまったのだろう。逆に言うと、もともと効率のあまり良くない中堅企業を狙ってビジネスをしていたにもかかわらず、高い生産性を実現していたJP社が優れているのだろう。

では、JP社のその優れた生産性を実現している要因はどこにあるのだろうか。企業理念や各種IR資料にて会社から発せられているメッセージを読むと、JP社が「少数精鋭」ということにこだわっている様子が垣間見れるのだが、では、具体的にどうやってそれを実現しているのか、という点は残念ながら不明である。


明日に少しだけ続きます。

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