西村佳哲著『自分の仕事をつくる』を読む。
THE BIG ISSUE JAPANのバックナンバーにおける西村氏との取材ノート記事を契機として、興味を持った。
この本は働き方をめぐる探索の、小さな報告書です。
ー西村氏は同時代の作り手の香りがする。ー
〜八木保さんをサンフラシスコに訪ねる【1995年・夏】〜
観察力が低いにもかかわらず、高い完成度を持った表現が生まれたとしても、それは単なる奇跡に過ぎない。運の話は別にして、才能とはその奇跡より、むしろ観る力の方にあるのではないだろうか。完成度の高い仕事には、その働き方の随所に物事に対する観察力を高め、解像度を上げる工夫があらかじめ含まれている。
〜象設計集団を北海道・帯広に訪ねる【1995年・冬】〜
プロジェクトがはじまって最初の三ヶ月ほどは、手をあまり動かさず、勉強に集中しました。そしてまずは五一カ所の施設を実際に見に行くことを決め、北欧から国内まで、興味を持ったところはだいたい見学し、実際に体験もしてきました。入浴装置を体験してみたり、寮母さんの仕事をやってみたり。入居者と同じ部屋で寝泊まりして同じ食事を食べ、同じ生活をしてみたりしてます。そうしているうちに、だんだん何をするべきなのか、何が問題なのか、自分たちに何ができるのかが細かいところまで見えてくる。この勉強の段階が非常に面白い!いろいろな分野に数多くの先駆者がいて、それぞれの現場で素晴らしい実践を行っています。そういう方々に出会っていくのは興奮する経験だし、以後友人として仲良くしている人もいます。
ダメだ、本日海外の仕事をしないといけないけれど、本を読み進めてしまう。
〜柳宗理さんを東京・四谷に訪ねる【1996年・春】〜
橋梁みたいな大きなものもね、まずは模型を作って、その上にモーメント(重し)を乗せてみると、どこが弱いかとか、あるいは崩れなさそうだってことがわかってくる。そしたら専門の人を呼んできて意見をもらったり、大丈夫だって確認してもらう。そういうやり方はおもしろいもんだから、構造の人もとても喜んでくれてね。工場の技術者とも、具体的なモデルをはさんでやり取りします。生産の過程にも、デザインの手法はあるしね。そういう人たちと協力して、初めてデザインができる。誰ひとりでできるものじゃないですから。必ず協力してやるのが、ほんとだと思っています。それが信念なもんだから。
〜IDEOのデニス・ボイルさんをバロアルトに訪ねる【1996年・夏】〜
結局のところ、課題をクリアーしてゆく唯一の方法は、何度も失敗を重ねることしかない。ほかに方法はありません。デザインのスキルの大半は、その仕事の進め方の中にあると僕は思う。プレゼンテーションが上手いだけではだめです。〜 大切なのは、本当の問題を発見していく能力です。表面的に目につく問題点は、より根本的な問題が引き起こしている現象のひとつにすぎないことが多い、では、問題に深くアプローチしていく方法とは何でしょうか。それは、机の上で頭を捻って問題を予測することではない。早い段階から、可能な限り具体的にテストし、トライ&エラーを重ねていくこと。これに尽きます。
〜パタゴニア社をベンチュラに訪ねる【1996年・夏】〜
たとえば私たちはインターンシップ・プログラムという制度を用意していて、パタゴニアの仕事を二ヶ月ほど一時的に離れ、非営利組織のために働くことを奨励しています。 (Intership program:給料とポジションはそのまま保留しながら、フルタイムあるいはパートタイムでほかの組織で働ける制度。対象となる非営利組織は環境保護団体など、パタゴニアの総売上の1%から金銭的援助を受けている世界中約500のグループ。社内向けパンフレットには「才能とエネルギーを、あなたが信じることに使おう」と書かれ、このプログラムが個人の成長と経験の蓄積に対する投資であることを強調していた)
〜ドラフトの宮田識さんを東京・恵比寿に訪ねる【1989年・夏】〜
イタリアのメーカー「アレッシー」のディレクター ボウリノは言う。
アレッシーで働く前に10年間、劇場でも仕事をしてきたんです。〜まさに人々のクリエイティブな力をすべて集めてつくり出されるのが劇場という空間です。みんなのエネルギーを最大限に、オーラのように引き出す、その素晴らしさに感動しながら働いていた。そういう方法で仕事をするのが好きなんです。私はね、いいデザインに自分の名前を付けて出すことには興味がない。自分自信がデザインするとか絵を描くのではなくて、みんなの力、社会そのものを変えてゆくような集団のクリエイティビリティに興味があるの。(人から引き出すノウハウの質問に対して)できるだけ自由に、自発的に仕事をしてもらうこと。そして逆説的であること。その仕事の価値や意味を問い続けること。不可能に思えてしまうようなことを提案して、オープンにフレキシブルにね。みんな最初は心臓のチャックを閉じている。だからメンタルなプロセスを経て、まず心臓のチャックを開けてもらうこと。限界を課させないで、極限までいくこと。
いい本だ、夢中になっている。
〜小林弘人さんを東京・お茶の水に訪ねる【1996年・冬】〜
大事なのは一つのコンセプトをうまくシェアしながら、"ワイアードとな何か"を具体的に提示し続けていくことです。ちゃんと一から、全員が付き合っている関係でね。それにはやっぱり場所を共有していくことが大事です。〜ひとつのファクトリというか、場所を中心に据えていかないと難しいんじゃないかな。アトモスフィアというか、言葉にできない部分。士気のようなものが、デザインワークの重要な要素だと思います。
本を読んでいて、パリの映画館でみた、黒澤明監督のいちばん好きな作品『生きる』のことを思い出した。
主人公の渡辺?が語るセリフが印象的だ。こんな感じだったか。
ー遅くない。無理じゃない。やれば出来る。ただやる気になれば。ー












































































最近のコメント
⇒四日市旧ジャスコ
⇒四日市旧ジャスコ
⇒四日市1番街
⇒旧ジャスコ四日市・イオン
⇒樋口 アヤ
⇒三国の住人
⇒SS
⇒アイルトン
⇒アイルトン
⇒SS