パリにいた時代、当初Mという表示を見てマクドナルドだと思っていたが、近づくとメトロ(地下鉄)の入り口だったという経験がある。去年の1月ぐらいに途中まで読んで置いていた本であるレイ・クロック&ロバート・アンダーソン共著『成功はゴミ箱の中に』(プレジデント社)を急に手に取り読み進めた。
マクドナルド創業者のレイ・クロック氏の自伝とある。セールスマンと過ごしてきたレイ・クロックがマクドナルド兄弟の店を一目見て、全米チェーンにしようと50歳代で起業するというのは、形容できないすごさだなと読み終えて実感した。
読んでいたら、考えさせられる言葉に出会う。
我々はマクドナルドを名前以上の存在にしたかった。(中略)特定の店舗やオペレーターのクオリティによって顧客を増やすのではなく、どの店に行っても同じサービスが受けられるというように、マクドナルドのシステム自体に対するリピーターをつくりたかった。
このコメントを読んで、全国展開している専門学校の会長から以前聞いた話を思い出し、こういうことだったのかと一人合点した。
完全なシステムを初めから考えつく人もいるが、私はそのような全体構想パターンでは考えず、まず細部を十分に検討し、完成させてから全体像に取り掛かった。私にとってはこちらのほうがはるかに柔軟性に富んだアプローチだ。
1月の2泊3日の合宿研修では検討してみよう。
これは私の教育哲学そのものであり、マクドナルドのハンバーガー大学やハンバーガー高校でも同様のことが教えられている。キャリアの教育。それはこの国にいま必要なものである。多くの若者は、安定した職を得る準備や、料理や家事ができる用意もできずに大学を卒業してしまい、落ち込んでいる。キャリアへの訓練を受け、彼らをサポートすることを学び、仕事をどうやって楽しむかを先に教えたほうがよいのだ。さらに高度な教育を受けたい者だけが、夜間学校に行けばよいのだ。
キャリア教育の真骨頂が表現されているようだ。
自分の客に、より良いサービスを行う気があるのなら、地下のレイアウトや、脇道のアクセスがあるのかなど微細に至るまで調べるのが普通だろう。そういう人たちには在庫のさばき方や、物流のアイデアを教えてあげられるかもしれない。それが私がいつもしてきたことで、詳細な知識の結集となり、それはマクドナルドに還元できている。自分の仕事にこのような姿勢で向えるなら、人生に打ちのめされることはない。これは取締役会長から皿洗い長に至るまで、すべてのビジネスマンにいえることだ。「働くこと、働かされること」を楽しまなければならない。
仕事のエッセンスのようだ。ナ・トワはもうすぐ設立後一年が経つ。いろいろな試みもやってきたが、気づいたら立ち消えていくプロジェクトもある。どこまでできていて、どこまでできていないのかが分からない中途半端になってしまったプロジェクトもある。最後までアプローチできず、お客のニーズも中途半端になったケースもある。「リスクのないところには成功もなく、幸せもない」ではないが、プロジェクトが失敗したかも分からない状態で頓挫して行くこと自体、失敗よりひどい状態にあるということをナ・トワの一年として反省している。
この一年は「Be daring(勇気を持って)、Be first(誰よりも先に)、Be different(人と違ったことをする)」という言葉をもて、がんばっていこう。
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