幼馴染とはみな地元を離れているので、最近は会っていない。
学生時代までは年末と正月には挨拶に幼馴染の家に行っていたのだが、最近はそういうこともなくなった。
今は企業の法務部門で働いている幼馴染の親とは定期的に会うので、そこから幼馴染の動向を聞くことが多い。
俳優の幼馴染がこのドラマに出ていたとか、CMに出ていたとか。
医者の幼馴染は子供のころ、解剖がすきだったとか。
世界的作品に子役で出た幼馴染はこうこういうわけで映画の世界から手を引いたとか。
僕が進路で不安な日々を過ごしていた時も、休日にドライブに連れて行ってもらったり、飲みに連れて行ってもらったりと。
この幼馴染の父親は街の情報源で、やくざさんの生涯とか、仕事の話とかをお客さんから聞いた話や夜逃げしていく人に共通する話とか、外ずらと内ずらの話とか、一緒に飲みに行った小料理屋で隣にきていた某企業のオーナーの成功の秘訣とか(オーナーが耳を傾けていた思い出がある)。
中学も卒業していない人であるが、向学進が強いのだ。こういう人が僕が育った路地裏の人には多かったと思う。
ぼくら幼馴染はそういう話を聞きながら、育ったわけである。
医者になった幼馴染が、あのおっさんは麻雀が好きなんだけど、ハングリー精神を取り戻すために、釜が崎に定期的に修行に行くという話も聞いた。
あとでこのおっさんに?聞いたところ、そこに行けば一日のお金しか持っていない人が、生活をかけてマージャンしているそういう環境に身を置くことで、こっちの感度が鋭くなるんだと言っていた。
このおっさん?は日々は勤勉に仕事されていますので、誤解がないように。
また、このおっさん?は、漁師町に育ったこともあり、よく周りの人と夏には素潜りに行く。(うちの父親もなくなる前にはすごく楽しみにしていた記憶がある)
近所には目の不自由のあんま屋さんや高齢者や病気の方がいて、そういう人のケアを周りの住民が自然に行うというのをいまだに続けている。
そういう関係があるから、今だに親族以上に密な関係である。
このおっさん?はやはり向学進が強く、犬養道子氏よろしく、心が外に開いているので情報が自然に集まるのだろうと思う。
商売もいまだに繁盛しているのは、そういう人の気持ちを知ることができるということだろうか。
僕もそういう話に影響されたことから、都市のスラム街(表現が適切でないかもしれないが)を歩くことを続けてきた。最近でもよく歩くのだが、学生時代のあるときから、最低辺で生きている人が生き憎い世の中は、やはり世間一般生きづらい世の中なんだろうなという思いを持っている。
学生時代、外ずらの街は繁栄をしているようなのだが、街に浮浪者が出始めたおり、ぶくぶく太り出した正義派政治家と言われていた政治家(おっさんの外ずらと内ずらの話であろうか、僕は見抜けていた記憶がある、そのうさんくささを。バイトの資材をこの人の頭に落としてしまった思い出とともに)が、汚職まぎれで塀の中に入ってしまった光景や最高権力者が一夜にして権力の座から落ちていく姿を直截に見たりしてその感を強くしたのだが。
学生時代そういう話をしていたら、東京芸大の友人から、高橋さんみたいなことをしている考えているという方がいると留学されていた慶応の助教授を紹介された記憶がある。スラムについて経済学的見地?から研究されていたと思う。日々パリのスラム街に調査に行かれており、シテで会った時も、「じゃあ」とスラム街へと研究に行かれた記憶がある。
僕が今でもたまにそういうところを歩くのは、開高健氏ではないが、シンプルな欲望があふれている感じがするからだろうか。
動物的欲望?
これはいかなる階層でも装いは異なるが、共通しているのだろう。
そういえば、スラム街(日本でもパリでも)住んでいたパントマイムを習得していた女性も、定期的にスラム街を歩く芸大のカメラマンを目指していた友人たちは、単に物価が安いからという理由で住んだり、訪れたりする人もいるのだが。
話がそれたが、人の気持ちをしるために、アンテナはいろいろめぐらせないといけないなと思うこのごろ。そしてたまにはスラム街を歩いて感度を持とうかと思う。
昔読んだくらたまなぶ著『リクルート「創刊男」の大ヒット発想術』(日経ビジネス文庫)にこんなことが書かれている。
人にまったく耳を傾けずに進めてしまうのは、次の三つの場合だけなんじゃないかと思う。 ①公共事業 ②独占事業 ③経営者のアタマが悪い事業(企業) 独りよがりの経営判断に陥らないためには、聞きまくらなくてはならない。
聞くことからプロジェクトを始めたい。そのために、独自のアンテナを持とう。旧式であっても、kusomushiのような誠実さで地道に。
さて、これを読まれてスラム街に気軽に出ないように、危険ですから。
僕の知り合いの友人夫婦は、観光でニューヨークに行き、一歩間違いスラム街に入り、二人の凶漢な男組に絡まれ、旦那さんがレイプされたという話も聞きましたので。
また、僕も海外のスラム街で危険な目にあい、通信教育でならった柔道で禍をさけた思い出が何度かありますので。
ちなみに、芸大のカメラマンを目指していたモテ男の友人××君は芸能プロダクションに内定が決まり、趣味でカメラを続けているという話をかなり昔に聞いてからは縁遠くなりました。彼の作品と思われるものは、小説の著者紹介の吉本ばなな氏の写真(初期ではなく、おしゃれになった)がそうだと思います。
××君、好きなことやってる!!



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