【人物・経営者】一澤信三郎の最近のブログ記事

平成22年7月25日の日本経済新聞の記事「相続めぐりトラブル「一澤帆布」新たに四男がブランド」を読む。

一澤帆布では引き続き、身内でのトラブルが続いているようだ。

06年に「一澤信三郎帆布」を立ち上げた三男のコメントが載っている。

商売人は、モノ(商品)で語ればいい

以前の投稿記事『また悪い頭を働かせまして』も参照ください。

平成21年6月24日付の日本経済新聞の記事【一澤帆布の相続争い】を読む。

老舗かばん店「一澤帆布工業」の株所有をめぐる親の遺言書の真贋をめぐる兄弟間の対立は長男らの上告を最高裁が棄却したことにより、三男側の勝訴が確定したようだ。


三男一澤信三郎氏に関する関連記事も参照ください。

『「一澤帆布」相続訴訟-長男保管の遺言「偽物」』
また悪い頭を働かせまして
コーヒー豆と帆布コーヒー豆と帆布
鞄の老舗の話

朝出勤前と9時前に帰宅した場合には、コーヒー豆をミルで引き、コーヒーを堪能する習慣がついた。

コーヒー豆は去年ぐらいから、ナマケモノ倶楽部の「ハチドリのひとしずく」を毎月購入している。

当初はフェアトレードに取り組む社会的企業の活動に共感しての試飲である。はじめに購入したコーヒー豆は味が合わなかったので、今はナマケモノ倶楽部を活用している。

クライアントへ行く途中、同僚とフェアトレードしている社会的企業からコーヒー豆を購入しているという話をしたのだが、多くの課題についてお話題へと展開していった。

社会的企業が継続的に存続していくにはやはりおいしいコーヒー豆を適正な価格で売るという努力が必要になってくるのであろう。保護と経済とのコンフリクトをどうマネージしていくかが重要な課題か。

話が変わり、以前に安く購入した鞄が傷んできたので、鞄の買い替えを検討している。いくつかの投稿記事で取り上げさせて頂いた一澤信三郎帆布のかばんは丈夫だということで購入を考えている。

カタログから商品タイプと布地・色を選んで購入することもできるようだ。発注から手作りで3~4か月かかるようだが。

この週末商品タイプと布地・色を選んで発注しようと思う。

大量販売には乗らない仕組みであるが、それが不経済かというとそうでもなさそうだ。

安く買えるものが、あとあと高くつくことは多い。

今回、長い期間使える鞄を購入して商売を考えてみよう。


平成20年11月28日付の日本経済新聞の社会欄の記事【「一澤帆布」相続争い 「長男側の遺言書は偽物」 大阪高裁判決】を読む。

京都の人気かばん店の相続に関する骨肉の争いが続いているようだ。海外の有名ブランドでもこういう話を聞いたことがあるが、親の代の事業承継の難しさだろうか。

モノづくりの魂を受け継いだのは誰か。

現場の従業員およびお客がそれを決めるのだろう。

過去の投稿記事を参照ください。

また悪い頭を働かせまして
鞄の老舗の話

ヒットを生む経験価値創造―感性を揺さぶるものづくり』(日科技連出版社)の第7章では京都の「一澤帆布(現在は一澤信三郎帆布)」が取り上げらている。

顧客ニーズのフィードバックとして一澤の社長のコメントがあり、一澤帆布(一澤信三郎帆布)ではどのように顧客ニーズをくみ取り、フィードバックしているかがよくわかるのだ。

(原型の現物を手に取りながら)これは牛乳の配達袋で、ちょうど牛乳瓶が20本入るんです。昔、自転車のハンドルにぶら下げて配達していたので、いろいろ工夫がしてあります。そこに穴があいているのは、水分とか、あるいは瓶が割れたときに、ここから抜けるようになってるんです。これを自転車に掛けて配達すると、どうしても、この部分が自転車と当たって傷みやすいんです。それで、ここが二重にしてあるんです。同時に、こういうふうに、たすきに縫って、穴が空いても広がらないようにしてあるんです。今でもたまに牛乳屋さんが配達袋を買いに来てくれます。

まだまだ、一澤社長の話が続くが、面白いのでそのまま引用。

こうしたら、一般のお客さんが、そのかばんを面白いなということになって、風呂桶入れてこれで風呂に行くとか、あるいは、野菜やらを入れる買い物袋に分けてくれというような人が現れてきました。こんなもの、何が面白いのかと思ってたんだけど、あ、そうか、そういう見方もあるんだな、と気づきました。それじゃあ、別に自転車に掛けるわけじゃないんだから、これを当て布ではなしに、ポケットにしたらどうだということになって、これ、ポケットに変わるんです。

情報発信したことに対する意味付けはお客がしてくれる。その意味付けを情報に加味していく作業を通じて、だれにもまねできない"強み"ができ、それがブランドになっていくのだろう。

話が面白いので、まだまだ『ヒットを生む経験価値創造』から引用しよう。

しかも、底に穴を開けておく必要がないんで、それで、こういう形(進化①)で売ってました。すると、お客さんが、このロープだと汚れてるし、手が痛いって言いだしまして、それだったらまたー工夫しないといけないなということになって、持ち手を共のきれいにしたらこういうふう(進化②)になったんです。
店に並べておくと、結構売れだしました。すると、東京辺りのお客さんが、これ、いいけど、通勤電車に乗ってたら、底が広過ぎて人にぶつかるし、上からのぞかれて、物も取られたりする心配もあるので、というような話になって、そうしたらまた考えないといけないなと、また悪い頭を働かせまして。


底は、こういうふうに楕円にして、深さをもう少し深くして、内側に貴重品入れを付けて、口も紐でくくれるようにしたんです。そうしたら、これ(進化③)が今、定番になってまして、次にお客さんが何を言ってくるか、楽しみにしているんです。

ピーター・ドラッカー著『プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))』(ダイヤモンド社)に"強みを知る方法"が記載されている。

その方法は、それは何かをすることに決めたならば、何を期待するかをただちに書きとめておき、期待と実際の結果を照合するというフィードバック分析しかないと書かれている。

一澤社長のコメントを読んでいて、このフィードバック分析のことを思い出したのである。

すぐに強みを得れるのではなく、強みを知るのは地道かつ継続的なフィードバック分析でしか勝ちえないものであろうと最近よく思う。

一澤社長の話を続けよう。

目の届く範囲の仕事をしているのが一番間違いなく、確かだと思います。今、情報化時代というようなことが言われているんですけど、直接、使い手というか、お客さんと対面して商売していますから、ある意味では一番身近で、濃い情報が入っているのかなという気はしてるんです。

濃い情報を求めよう。そこには多くのヒントが秘められているのだから。

デザインマネジメント入門―デザインの戦略的活用』(京都新聞センター)を読んできて、現場で活躍された方々の話なので非常に興味深かった。

あとがきに『元気がない老舗』という項目があり、ひとつの老舗の例が載っていて、大変興味深くよんだ。

創業一八四五年の鞄の老舗がある。代々一貫して鞄職人の伝統を守っている。今の当主である五代目もスペシャルオーダーの最高責任者であり、職人である。その手作りの鞄は、とにかく丈夫で、数々の伝説も生んでいる。価格はかなり高めであるが百五十年間一度もバーゲンやライセンス生産をしたことはない。創業当時から、富裕層を中心としたファンに長く支持されてきたが、その経営はファミリービジネスの域を出なかった。一九七〇年代になると、旅行ブームとなり、本店には観光客が殺到して行列ができ話題になった。こうした状況を受け、経営陣は外部のコンサルティング会社に相談。コンサルティングの結果は「専門家による経営組織の確立」を求めるものだった。顧客が増えすぎて、すでに一家によるファミリービジネスでは賄いきれない規模になっていたのである。これを受けて、所有と経営の分離を行うことにした。(『デザインマネジメント入門』(京都新聞出版センター)あとがきより)

筆者は京都には世界に通用する老舗ブランドも多いが、売上の低迷や後継者難などで元気のない状況からこの事例を挙げられているようだ。

僕も個店の所有と経営の分離というテーマをここ一年考えてきたことなので、この事例を読んで思うところ多かった。

この事例の会社は、その後世界へ進出し、製品ラインアップも拡充し、メディアの注目を集め続けているという。

地元ブランドが世界のブランドになりうるということだ。

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