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昼ごはんを食べようと、昔の作業場所近くだったので、よくいった店を訪れると店はなくなっていた。数軒さまよったのだが、すべてなく、別の店になっていた。

一部は移転したケースもあるのだろうが、多くは撤退をよぎなくされたのかと思う。

貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』に次のような一節がある。

最近では古いビルやマンションの一角を改装し、レストランや雑貨店をはじめる若いひとたちが増えている。私の住んでいる街でもそんな店がたくさんできたが、ほとんどが数年で力尽きて閉店していく。彼らにアドバイスする立場にはないのだが、いつも残念に思うのは、がんばるだけでは問題は解決しないということだ。彼らにもし、会計や税務・ファイナンスの基礎的な知識(ファイナンシャルリテラシー)があれば、無駄な出費や高利の借入でせっかくの挑戦をだいなしにしてしまうこともなかったかもしれない。

同感だ。

地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略―経験価値を生む技術経営』の第6章 山中漆器連合協同組合の和モダン・ホームウェア「NUSSHA」を読む。

産地が海外進出を計画する際の二つの戦略が述べられているのが興味深い。

なぜ過去に失敗したかということを徹底的に考えました。現状は昔と変わっていません。日本は人件費は高く中国などとくらべれば価格競争力は弱く、環境は変わっていない。では、もう1回海外に出て、市場をつくるにはどうしたらよいか。それを克服するには二つあると発見した。1つ目は現地デザイナーを登用すること。(中略)2つ目は商品を作って、見本市に出展し、バイヤーが来てから「さあどう売ろうか」ではなく、出展する前に現地のディストリビューターを探して、現地で流通してくれるところを確保してから出展するべきということです。過去に1回失敗したからわかるんです。(後略)

なぜ現地デザイナーを登用するかの理由も納得させられる。

失敗から学ぶものがあるようだ。

地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略―経験価値を生む技術経営』の第5章 ハナマルキ㈱のこだわり高級味噌「王醸」「仙醸亭」「Myみそ蔵」を読み始める。

第2節商品の概要に「王醸」「仙醸亭」といった高級ラインの創出を手掛けた社長のコメントがある。

一般普及用の味噌商品を作ってきましたが、こういう商品群だけでいいのかという寂しい気もしていて、高級ラインも作りたかったというのが一番の理由です。

味噌全体の生産量は年々減少しており、また生味噌からインスタント味噌に市場がシフトする環境のなか、高級ラインを創出したのは経営者の気概だったようだ。

高級タイプを作ることは現場は嫌がるんです。だって、手間も時間もかかりますし、工場の稼働率が悪くなるわけですから。でも、高級タイプを持つことでハナマルキのイメージアップを図りたい。これだけ良質の味噌が作れる会社なら、他の製品も良いものだろうという印象を消費者に与えたいんです。「仙醸亭」や「王醸」が高い評価を受けることで、全商品のボトムアップが図れる効果があります。

なるほど。

この高級ラインの創出が会社の価値をどのように高めたか、本章を読み進めよう。

地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略―経験価値を生む技術経営』(同友館)の第4章(株)印傳屋上原勇七の伝統工芸「印伝」を読む。

印傳屋は鹿革で作られる甲州印伝の製造から販売までを行っている。

この章は面白く読んだ。とりわけ、社長とのインタビューにおけるコメントが興味深かった。

□あたらしいブランドを次々と提案していくことについて。

正直、伝統というのは非常にありがたい部分ではあります。ただ、伝統だけにしがみついて頼っていたんでは、これはもう衰退の一途でしょうから、伝統をありがたく頂戴しながらもその伝統に恥じないよう、今の時代に何をしていかなければならないかということを、その時代時代で対応してくことが大事じゃないかなと思います。

□あつらえ(特注品)について

そういうお客様というのはお金のことというよりは、他人が持っていない「こだわり」の物を持ちたい、もちろんそれ自体がこだわりの物だから、入れるものもこだわりの物を使いたいという部分があるんだと思います。定番だけ作っていれば楽ですし、そのほうが当然効率はいいわけです。しかし、そういうあつらえ物を受けるというのは、技術を守っていくという責任もあり、意味あることだと思います。

□長く使うライフスタイル

お客さんには長く印伝を使っていただこうと、アフターケアには力を入れてやっています。印伝は安心して使えることを知っていただくために、できる限り当社の製品であればきれいに直して、もう一度ぜひ使ってくださいという形えアフターケアは大事にしています。

□新製品開発による若い職人のやる気とレベルのアップ

今も続けておりますが、伝統的な製品も根強い人気がありまして、その伝統的なものと、新しくデザイナーに依頼して、洋服でも違和感なく持てるようなものを開発することによって、相乗効果が生まれました。

□直営店の展開による事業の主体性の確保と、顧客に近いこだわりのものづくり

その昔からのノウハウの部分を活かしながら、ただそれに終わることなく、技法、デザイン性、ファッション性などの需要を鋭くキャッチして、その時代時代に合ったものを提案していく、それに尽きると思います。

□人間尊重の経営

あくまでもこの企業というのは人間が中心にあって、人間が真ん中にあって、ほかのものが動いていくんだ。

□強力な自社ブランドの確立とその維持

お客様が言われたから作ったというよりも、お客様の需要に応えながら、自分たちの持っている技法の最高のものを提供しようという考え方だと思います。これが「印傳屋らしさ」だと思います。

心斎橋にもあるという直営店をのぞいてみようと思う。

商店街再生計画 大学とのコラボでよみがえれ!』(洋泉社 三浦展+神奈川大学曽我部昌史研究室)を購入して、読み始める。

帯には「商店街と大学がコラボする活性化アイデア40」、そして「伸びない客足も後継者不足もシャッター街化もまとめて解決!商店街をリノベーションして、楽しく笑える「まちづくり」をめざせ!」とある。

早速プロローグを読み始めると、「商店街を大学にするんです」というセリフが出てくる。

空き店舗対策として、ナスやキュウリの代わりに学生を入れてみようという。

だから、学生を商店街に入れてみようってわけです。シャッター通りになったとはいえ、まだ八百屋や魚屋とか、少しは店は残ってますから、生活はできる。で,空き店舗を建築の学生に自分で改築させて実習室にしたり部室にしたりする。あるいは店の上に下宿するとか、そういう生活実験をするんです。

随時読み進めて行こう。


地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略―経験価値を生む技術経営』(同友館)の第3章 (株)栗山米菓の1万円煎餅「米兆 ゆうき」を読む。

以前の投稿記事『ソメスサドル(株)のプロ用馬具と最高級ブランド鞄』では最高鞄であったが、今回は高級煎餅の成功要因が分析されている。

(株)栗山米菓は「ばかうけ」というヒット商品を持っているが、成功要因の一つとして、1万円煎餅「米兆 ゆうき」販売においては、あえて栗山米菓の名前を出さない戦略を取っていることが挙げられている。

新潟のコシヒカリを使ったグレードの高いブランドを商品名の「米兆」で構築しているようだ。

もう一つの成功要因としては、社内風土としてのチャレンジ精神が挙げられている。

風通しのよい社内風土は商品開発や販売活動にも生きているようだ。

一万円の煎餅、食べたいものだ。

地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略―経験価値を生む技術経営』(同友館)の第2章 ソメスサドル(株)のプロ用馬具と最高級ブランド鞄を読む。

北海道でプロ用馬具と最高級ブランド鞄をつくる会社ソメスサドルが取り上げられている。

本を読むまで知らなかったのだが、馬具は一流プロ騎手にも愛用されており、鞄は洞爺湖サミットの首脳夫妻等への贈答品として脚光を浴び、伊勢丹本店でも人気を博しているようだ。

本書では会社の成功要因を丹念に分析されている。

成功のポイント(KSF)のひとつとして、ブランドの未来を担うものを育てるということが挙げられている。

「まず、ものづくりをしっかりやる。それと同時に、ものづくりに携わる人間が魂を込められる環境をつくろうとしている。つまり、「ものづくり」と「ひとづくり」を並行して行っているのである。」

社長のモットーは、いついかなる場合も「馬具屋であることを忘れるべからず」というもの。

本書では、当初職人気質が強い従業員をいかにエンジニアにするかに社長がトライしたことが記されている。

技術者の世界、いわゆる職人という世界ですが、私は社内では職人という言葉を使わないのです。職人という言葉は嫌な言葉ではないし、匠を含めて良い言葉なのだけれど、それには弱点があります。職人というのはモノを教えることができない、またしない世界です。苦労して覚えたことはなかなか人に教えないという世界。それでは困ると。だから、『君たちはエンジニアたれ』と。『人にモノを教えることだ』と。

また、ものの良さを最後に判断するのはお客様という成功のポイントも挙げられている。

以下社長のコメント。

作り手がこれは価値があるんだよ。これは素晴らしいんだよという表現は、私は気持ち悪いなというところが結構ありまして。シャイなのかわからないですけれど、そういうロジックじゃなくて、もっとちょっと違う迫り方ができたらいいかなというふうには思います。もちろん少しでも高く売りたい。それは当然のことですが、これはいいんだよ、素晴らしいんだよと作り手が言ったとしたら気持ちが悪いと。あくまで認めるのはお客様なのであって、評価をするのはお客様なので、というふうにあえて言いたいなという。微妙ですよね。


出張先の丸善をぶらぶら歩いていたら、以前の投稿記事『自分の仕事をつくるーMake your work!!』でも取り上げた著者が新たに出された本「自分をいかして生きる」に出会った。

帰りののぞみで読み始めた。

イタリアのデザイナー アッキレ・カスティリオーニがデザインを学ぶ学生に宛てて書いた手紙の一節が紹介されている。

いいプロジェクトというのは、自分の存在を後世に残そうという野心から生まれるものではありません。あなた達がデザインしたものを使うことになる、誰も知らない見ず知らずの小さな人々と、ある交換をしようと思う。その気持ちから、いいプロジェクトは生まれるのです。

いい表現だ。

著者は上記一節の"ある交換"とは「わたしがいて、あなたがいる」という感覚ではないかと。

会ったこともないどこかの誰か、自分の仕事に触れる見ず知らずの誰かと、存在の交わし合いを望むこと。私が「いる」ことによって相手がより「いる」ようになる。そんなエネルギーの還流を生み出すこと。その実現を求める気持ちが「いい」プロジェクトの起点だという想いを、彼は学生たちに宛てた手紙い託したんじゃないかと思う。

著者は「いいデザイン」などどうでもよくて、自分は「いい仕事」を求めてきたようだ。

その起点の一つとして吉坂隆正が設計したアテネフランセの階段の手摺りに手で触れ始めたことを挙げている。

この手摺りはいいと言っていた知合いの学者と音楽家のことを思い出しもした。

ゆっくり読み進めていこう。

地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略―経験価値を生む技術経営』(長沢伸也編著・同友館)を読み始める。

今回取り上げているのは地場産業ということで、関心をもった。

本書で取り上げた7社は元気である。何より商品が特徴的であるし、しかもかなり高めのプレミアム価格でありながら、熱烈なファンが多く、ブランド化しているという共通項がある。地方にありながら、全国区に存在が知られ、なかには世界に飛翔している企業もある。編者らは、これら各社の「感性に訴えるものづくり」に共感し、(1)商品開発マネジメントの立場から経験価値の枠組みでその商品を分析し、(2)技術経営の立場からその経営的特質を分析し、(3)経営学の立場からその経営環境分析・マーケティング環境分析を行い、これらの分析を通して各社とその商品の人気の秘密を解き明かし、成功要因を抽出することを本書で試みている。

MBCSにおいても、企業分析を試みているが、本書はいくつかの視点を与えてくれる予感がする。(『企業分析シリーズの掲載にあたって』参照ください。)

ベーシック・インカム入門 (光文社新書)』を読む。

ベーシック・インカムは過去から議論されてきたテーマのようであり、本書でトムソン,E.Pが出て来た時に、『民のモラル―近世イギリスの文化と社会 (歴史のフロンティア)』で読んだ世界とつながるような感じがした。

ベーシック・インカムの文脈でフロムも読み返してみようかとも思う。

その前に本書を再読しようか。

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