『地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略―経験価値を生む技術経営
』(同友館)の第2章 ソメスサドル(株)のプロ用馬具と最高級ブランド鞄を読む。
北海道でプロ用馬具と最高級ブランド鞄をつくる会社ソメスサドルが取り上げられている。
本を読むまで知らなかったのだが、馬具は一流プロ騎手にも愛用されており、鞄は洞爺湖サミットの首脳夫妻等への贈答品として脚光を浴び、伊勢丹本店でも人気を博しているようだ。
本書では会社の成功要因を丹念に分析されている。
成功のポイント(KSF)のひとつとして、ブランドの未来を担うものを育てるということが挙げられている。
「まず、ものづくりをしっかりやる。それと同時に、ものづくりに携わる人間が魂を込められる環境をつくろうとしている。つまり、「ものづくり」と「ひとづくり」を並行して行っているのである。」
社長のモットーは、いついかなる場合も「馬具屋であることを忘れるべからず」というもの。
本書では、当初職人気質が強い従業員をいかにエンジニアにするかに社長がトライしたことが記されている。
技術者の世界、いわゆる職人という世界ですが、私は社内では職人という言葉を使わないのです。職人という言葉は嫌な言葉ではないし、匠を含めて良い言葉なのだけれど、それには弱点があります。職人というのはモノを教えることができない、またしない世界です。苦労して覚えたことはなかなか人に教えないという世界。それでは困ると。だから、『君たちはエンジニアたれ』と。『人にモノを教えることだ』と。
また、ものの良さを最後に判断するのはお客様という成功のポイントも挙げられている。
以下社長のコメント。
作り手がこれは価値があるんだよ。これは素晴らしいんだよという表現は、私は気持ち悪いなというところが結構ありまして。シャイなのかわからないですけれど、そういうロジックじゃなくて、もっとちょっと違う迫り方ができたらいいかなというふうには思います。もちろん少しでも高く売りたい。それは当然のことですが、これはいいんだよ、素晴らしいんだよと作り手が言ったとしたら気持ちが悪いと。あくまで認めるのはお客様なのであって、評価をするのはお客様なので、というふうにあえて言いたいなという。微妙ですよね。
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