『週刊 経営財務』(2010年8月30日)の記事「資産除去債務を合理的に見積もれないケースは?」を読む。

23年3月期第1四半期報告書の資産除去債務に関する注記を調査した結果によると、127社(140件)が「合理的に見積もることができない」旨の記載があったようだ。そのうち、8割は賃貸借契約に係る原状回復に関するものであり、そのほとんどが適用指針「設例8」に倣った理由を記載していたとある。

興味深かったのは、監査法人別の分析。最多はあずさと太陽ASGの19社、新日本は9社、トーマツ3社、あらた1社。たまたまなのだろうか。

以前もご紹介しました公認会計士 中田先生が大阪でもIFRSのセミナーを開催される旨の連絡を受けました。

開催日は、9月21日(火)と22日(水)で 両日とも18:15~20:45の2時間半です。

会場は、御堂筋北御堂近くの大阪会館です。

情報システム部門、内部統制監査部門、そして、財務担当役員の方々にも
是非聞いていただきたい内容になっています。
ご興味をお持ちの方は、ご検討ください。

詳細及びお申込は、セミナーページからどうぞ

実務に即したセミナーとなるとおもわれます。

適時開示情報を見ていると、メルシャン株式会社の不適切な取引に対する第三者委員会の最終報告が出ていたので読んでみようかと思ったのだが、86ページほどあったので、週末にでも読もうかと思う。

不適切な取引に関する経営責任と、メルシャン株式会社(監査人 トーマツ)はキリンホールディングス株式会社(監査人 あずさ)の完全子会社化になることも開示されていた。

適時開示には不適切な取引の開示関係がもう一つあった。愛知時計電機株式会社(監査人 あずさ)の札幌支店の副支店長が架空の売上計上をしていたとある。平成10年度から本年度にわたり不適切な会計処理が行われ、累計金額で約14億円の損失となるようだ。

不適切な会計処理が散見されるが、金額的影響額も少なくない。

景気が悪化していく過程で、不適切な会計処理を行う誘因は高まってくるのだろう。

『会計・監査ジャーナル』(2010年9月号)の記事「課徴金事例集の公表について」を読んだ。

証券取引等監視委員会は、「金融商品取引法における課徴金事例集」を公表したとある。

早速読んでみようと思う。

記事では開示検査の運営方針にも触れている。

開示検査の目的は、①正確な企業情報が迅速かつ公平に市場に提供されるようにすること、②ディスクロージャー規制の違反行為を抑止することにより、資本市場の機能の十全な発揮と市場に対する投資者の信頼を確保することにある。

そして今後の課題として①証券市場にかかわる各種の公開・非公開情報の的確な収集・分析、②検査技術、手法の改善に向けた不断の努力、③関連する他の行政部門や幅広い市場関係者との連携、④開示義務者が自律的に適正な開示を行うための環境整備が挙げられている。

上記②では不適正な会計処理が発覚した開示企業で設置されることが多い外部調査委員会等の調査結果を検証し、効率的な開示検査の実施に活用することが触れられている。調査員会が本来の役割を遂行することが前提となるようだ。

注書にある「証券監視当局が示す第三者委員会の役割とは」(ビジネス法務事情2010年7月号」を読みたくもなった。

平成22年8月17日付けの株式会社東理ホールディングスの適時開示情報「過年度のエクイティ・ファイナンス等に関する第三者委員会設置のお知らせ」を読む。

開示情報によると、「新株式の発行及び自己株式の処分につきまして、東証諸規則上必要となる東証への提出書類の一部欠落、上記2件の開示資料に記載した内容と実態の差異、当社における機関決定等に係る不備、決算短信等の訂正の可能性を認識」しており、その調査に第三者委員会を設置したようだ。

第三者割当による新株式の発行の中止や第三者割当により発行した株式の割当先による譲渡に関する調査が必要となったケースが見受けられる。

規制も強化される方向もあろうが、第3者割当てによる資金調達自身が問われてくることになるのだろうか。

中田清穂先生から、サイト開設のご案内があった。

このたび、私の講演活動等の情報を中心にしたサイトを開設いたしました。 講演活動では、IFRSの影響度調査の対応を始めたり、 今後のシステム対応を行う上で、お役に立てる講演を実施しています。 東京に限らず各地で講演を行っておりますので、 ご興味をお持ちの方はご活用ください。

早速、中田版『IFRSの誤解』 Part1:包括利益を勉強させていただこう。

『週刊 経営財務』の記事「中国企業が出資する日本企業、5年間で2.5倍 TDB調査 本年6月時点で611社」を読む。

最近では本間ゴルフ、ラオックスやレナウンなどの話題により、中国企業による日本買いの動きが目立っている。

記事によると、本年6月時点で611社で、2005年6月時点の233社から約5年で2.5倍となったようだ。

国内企業で技術はあるが、業績は長年芳しくもなく、好転する活力のない企業にとっては、中国のゆたかな資金力により、復活するあるいは5年後ビッグ企業になっているチャンスは大いにあるのかもしれない。

『会計・監査ジャーナル』(2010年7月)の記事「最近の粉飾の事例:証券監視委としての観点から」(証券取引等監視委員会事務局総務課長 佐々木清隆氏)を読む。

記事においては「粉飾と会計監査人の関与」という項において、粉飾の一義的責任はもちろん会社にあるとしつつ、監視委としては、責任追及は該当企業にとどまらず、「当該企業の会計監査人、上場時の引受証券会社、上場を認めた証券取引所の問題も併せて認識される」とある。

その中でも会計監査人の責任は、上場企業の有価証券報告書の適正性について意見を表明する立場にあることに鑑み、極めて重いと認識されているようだ。

会計監査人の責任追及は、「粉飾の共犯として認定される程度の積極的な関与はないが、会計監査人の監査に問題があると認められる場合」も当然責任追及の対象となることが指摘されている。

最近粉飾事例が散見されるが、粉飾を行った企業だけではなく、企業に関与している会計監査人等の責任追及が行われる事例も増えてくるのだろう。

平成22年7月30日付の株式会社フォーバルの適時開示情報「当社社員による不正行為についてのお知らせ」を読む。

不正行為の発覚の経緯は、決算作業中の経理部が金融機関への残高確認を行ったところ、会社が認識していない口座が発見され、当時総務部長であった社員が開設した口座であることが判明、本人に事情聴取したところ、不正が発覚した。

注目されるのは、①不正が過去長く行われていることと②不正行為がエスカレートしていることだろうか。

権限者による不正行為ということで、内部統制の限界はあるというものの、当然用意されている内部統制による阻止あるいは発見しうると思われるのだが、開示でもあるように、「今回の不正行為は当該社員が有していた権限に対して、内部牽制が不足していたことが原
因と判断しております。」と内部統制が整備あるいは運用されていなかった事実がうかがえる。

前期はKDA監査法人が、前期以前まではトーマツが監査してきたようだが、進行年度においては優成監査法人へと異動している。監査人の異動により、監査手続きの見直し等により、会社が今回発見する契機となったのだろうか。

『経営情報』(2010.8.1)の記事『「会計不正」をめぐる2つの対応ポイント』のPART1「SESCからの文書照会への初動ポイント」を読む。

記事によると、「証券取引等調査委員会は調査の初期段階で、上場企業に会計処理の疑義につき照会する例があり」、「場当たり的に対応することによる不利益ははかりしれない」ことが指摘されている。

対処方法としては、次のようなステップが紹介されている。

STEP1 疑義のある会計処理の把握
STEP2 社内調査
STEP3 文書での正確な回答

STEP2の社内調査では、初期対応の重要性について指摘されている。

初期対応にコストをかけなかった結果、本格的に証券取引等監視委員会の調査を受ける事態に至れば、結局、その調査対応にさらなるコスト・人員を割かなければならず、多大な不利益を被ることとなる。

適時開示情報を見ていると、確かに初期対応をおろそかにして、調査をやり直すとかという事例もあり、場当たり的に対応するとコスト増になっていることがうかがえる。

短期間の間に、上記の3つの手続きをスムーズに行うためには、今後も課徴金勧告事例を増えていきそうな背景を踏まえると。SESCの照会等を見据えて、対応手順を整理しておいたほうが望ましいようだ。

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