2009年11月アーカイブ

『週刊 経営財務』(21.11.23)のMINIファイル記事「会計上の見積り」を読む。

会計上の見積りの変更については、現行では追加情報として変更した旨とその影響を注記することとなっているが、記事では「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(11月26日議決予定においても、現行の考え方が踏襲されるとコメントされている。

また、会計方針を変更した場合は遡及処理が必要となるが、「会計方針」と「会計上の見積り」の区別が困難な場合は遡及処理不要と記載されている。

会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合については、会計上の見積りの変更と同様に取扱い、遡及適用は行わないとしています。ただし、注記については、変更の内容およびその影響額のほか変更を行った正当な理由についても注記します。

新会計基準のフォローがままならない。

『週刊 経営財務』(21.11.23)の記事「初年度は「コスト」と「業務」増で負担感強く 内部統制RT 2年目に向け課題確認」を読む。

企業が感じた内部統制報告制度のメリット・デメリットが紹介されている。

デメリットとして、コスト増の問題と業務量の増加のほか、網羅的・形式的な確認作業が多い点と監査が形式的で過度に保守的というのが記載されている。

形式的な手続ということからか、2年目以降の課題として「実質的な機能状況の評価」が挙っているのだろうか。

監査が形式的で過度に保守的というのは監査実務から離れているのでイメージがつかないが、書類(調書)作成のための作業が増えたというような感じだろうか。同期あるいはクライアントに聞いてみよう。

審判手続状況一覧をチェックしていたら、「PwCアドバイザリー株式会社社員による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」というのがあった。

課徴金納付命令対象者は、株式会社ファーストリテイリングとのアドバイザリーサービス業務の提供に関する業務委託契約の契約締結先であるPwCアドバイザリー株式会社の社員であったが、株式会社ファーストリテイリングが株式会社リンク・セオリー・ホールディングスの株券の公開買付けを行うことを決定した事実を、同契約の履行に関し知り、この事実が公表された平成21年1月29日より前の同月28日に、同株券合計20株を、自己の計算において、買付価額209万9,000円で買い付けたものである。

A監査法人ではないだろうが、コンサルの方は、内部者取引のコントロールが緩いのだろうかと思いつつ読んだのだが。


『週刊 経営財務』(21.11.23)の記事『"進行基準"を適用できないケースは少数? IASB 支配の移転に関し複数の判断指標を提示』を読む。

記事によると、「国際会計基準審議会(ISAB)と米国会計基準審議会(FASB)が開発を進めている、収益認識の会計基準に新たな展開」が見られ、IASBの9月の会議にて「支配」の定義の明確化と「支配の移転」の判断「指標」が示されたとある。

それにより、"進行基準"を適用できないケースは少数となる可能性も出てきたようだ。

国際会計基準の収益認識の検討はまだまだ進化していくのだろうか。

フォローしていくのは大変だ。

この1週間の適時開示情報を見ていると、改善報告書が2件あった。

□株式会社クリムゾン(平成21年11月19日)

□株式会社セイクレスト(平成21年11月20日)

ともに、適時開示体制に対する改善報告書である。

改善報告書には、参考になる情報が多くある。

適時開示体制を会社で見直す際のチェックシートや参考資料として他社においても有意義かもしれない。


同期と最近出版された本『IFRSの実務マニュアル』の話をした。

7770円とフィーバーがかかりそうな値付けだが、読みたくても僕には高くて手が出ないなと。

可処分所得がたんまりあるMGRの同期の読後、かりよう。

そういえば、あらた監査法人は三田にあったオフィスが、今週末、汐留への引越ということであわただしいようだ。

この後、ぶらぶら下見に行こうか。


『週刊 経営財務』(21.11.9)の記事「IFRS早期適用は56社 東証 IFRS適用に向け上場会社にアンケート」を読む。

東証が10月30日に行った「国際会計基準(IFRS)の適用に向けた上場会社アンケート調査」によると早期適用を予定している企業が56社あるそうだ。

以前の投稿記事『IFRS早期適用21社』からは倍のようで、「現時点では早期適用の要件に該当していない又は該当するか不明だが、要件に該当するよう対応する」という会社が845社(59.7%)という数字は興味深い。

「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」(6月30日公表)の要件は以下の通りとある。

  • 上場又は店頭登録している
  • 有価証券報告書に連結財務諸表の適正性を確保するための特段の取組みに係る記載を行っている
  • 国際会計基準の十分な知識を有する役員又は使用人の設置及び国際会計基準に基づく適正な財務書類作成体制の整備
  • 次のいずれかに該当する
  1. 会社、親会社又はその他の関係会社が外国法令に基づき開示書類を作成している
  2. 会社、親会社又はその他の関係会社が外国取引所規則に基づき開示書類を作成している
  3. 会社、親会社又はその他の関係会社が外国に連結子会社を有している

クライアントでも1社作成済みであるが、既にIFRSによる財務書類を作成している会社も8社あるようだ。

加速度的にIFRS対応へと向かっている感じがする。

『週刊 経営財務』(21.11.2)の記事「会社法と金商法の期ずれ問題」を読む。

期ずれというと、親会社と子会社とりわけ在外子会社の決算期のずれを思い出すが、今回は会社法と金商法の期ずれである。

会社法と金商法の期ずれとは、財務書類の提出時期のずれを指す。

上場会社は、会社法と金融商品取引法に基づき、類似の財務書類を作成するが、それぞれの提出時期は異なる。会社法の計算書類は株主総会に提出されるが、金商法の有価家証券報告書は株主総会後に提出される。そのため、いわゆる「期ずれ」が生じることになる。

この期ずれによる問題として、内部統制報告書に記載される「重要な欠陥」などの情報が有価証券報告書とあわせて提出しなくてはならないため、株主総会時点で株主は知ることができない可能性があることが例示されている。

金融庁は、上記問題を解決すべく、株主総会前に有価証券報告書を提出することを可能とする開示府令を開示するようだ。

記事では、有価証券報告書の提出が総会前に可能となっても、実務上対応できないのではないかと指摘している。

有価証券報告書の前倒作業を企業が行うようになれば、現場はますます負荷が高まり、ミスのリスクも高まりそうだ。


適時開示を見ていると、ぽつぽつよ決算期変更の開示が出ていた。

□株式会社シノケングループ (平成21年10月22日)

変更の理由は、「期間収益の平準化を図るとともに、決算業務を円滑に進捗させるため」。

連結子会社も合わせて決算期を変更するようだ。

□株式会社ファルコバイオシステムズ(平成21年11月5日)

変更の理由は、「診療報酬等の改定の時期と決算期を一致させることにより、経営計画の策定の利便性の向上を図るため」。

□株式会社プライム(平成21年11月6日)

変更の理由は、合併による決算期の変更。

□株式会社システム ディ(平成21年11月13日)

変更の理由は、「決算手続きの事務作業量の軽減を図るため」。

□株式会社柿安本店(平成21年11月13日)

変更の理由は、「業務の効率性と安全性を確保する目的のため」。

平成21年11月12日付けのジョルダン株式会社の開示情報「定款の一部変更及び会計監査人の選任に関するお知らせ」を読む。

会計監査人設置の理由を見ると、次の通りである。

当社が株式を上場しております株式会社大阪証券取引所において「企業行動規範に関する規則」に改正があり、上場会社については、会計監査人の設置が義務付けられることとなりました。これを機に会計監査体制の一層の充実・強化を図るため、会計監査人を選任するものであります。

ちなみにこの会社ではいままでは、会社法第2条第6号に定める大会社でないことから会計監査人を設置していない。

企業行動規範に関する規則第9条とはこれであろうか。

( 上場内国会社の機関の設置) 第9 条 上場内国会社は, 次の各号に掲げる機関を置くものとする。
  1. 取締役会
  2. 監査役会又は委員会( 会社法第2 条第12号に規定する委員会をい
  3. う。)
  4. 会計監査人

平成21年11月11日付けの株式会社ミツウロコの開示情報「不適切な会計処理の社内調査結果ならびに社内処分について」を読む。

以前の投稿記事『不適切な会計処理について』で取り上げた不適切な会計処理の社内調査結果が出たようだ。

調査結果では、1)不適切会計を行った社員の動機や2)不適切会計が発覚しなかった原因が分析されており、興味深く読んだ。

287百万円という少なくない金額が不適切な会計処理されていたようだが、現金の着服や横領ではなく、自己保身、自己の業務懈怠等を関係者から追求されることを回避する目的での帳尻合わせにいたったようだ。組織的関与はないようだが、担当者を不適切会計に走らせるプレス等があったのだろうか。

また、不適切な会計処理が発覚しなかった要因を読むと、キーとなるコントロールが十分機能していなかったこと、つまり当たり前のことを当たり前にすることができていないことが窺えるようだ。

改善・再発防止策を読むと、本来行うべきコントロールが列挙されている。

『週刊 経営財務』(21.11.2)の記事「「社内開発費」資産計上へ ASBJ 認識要件も明確化」を読む。

記事によると、企業会計基準委員会(ASBJ)は、無形資産に関する論点整理において、「社内開発費」の論点も盛り込むとあり、資産計上する方向性も明記する方向で審議が進められているとある。

社内開発費の審議が再開したのも、IFRSのアドプションを見据えて、IFRSコンバージェンスを優先させるためのようだ。

IAS38号でも6つの要件を立証できる場合には、開発費を無形資産と認識しなければならないこととされている。

以前も紹介した本『わかった気になる IFRS―SE・営業担当者のための』でも取り上げられているが、「現在コンバージェンスの過程で、日本の会計基準が再検討されているわけですが、(略)せっかくコンバージェンスで同じものにしようとしているのに、必ずしもIFRSsと
全く同じものになるとは限らないので、日本でどのように改定されるか、その内容を十分に分析することが重要と思います。」とあるように、若干の差異が残るようであれば、実務者レベルでは2重の負荷が想定されるので、審議の過程をフォローしておくことは重要そうだ。

『週刊 経営財務』(21.10.26)の記事「IFRS導入プロジェクトのポイント インパクト調査実施前の留意点(1)」(新日本有限責任監査法人 須藤修司先生)を読む。

最近はIFRS関係の記事を多く目にするようになって来た。

記事によると、新日本有限責任監査法人では、IFRS適用の取組みの流れを5つのフェーズに分けており、今回はフェーズ1 インパクト調査に触れている。

フェーズ1 インパクト調査の作業項目は次のようなものが例示されている。

  • インパクト調査の実施
  • マクロレベルの会計差異の把握・分析
  • ビジネス、プロセス及びシステムに与える影響の把握・分析
  • 概括的なロードマップの策定等

フェーズ1の目的は、その後のIFRS適用に向けたプロジェクトを進めていく上での概括的なロードマップを策定することにあるようだ。

プロジェクトの計画フェーズであり、プロジェクトの成否を分ける重要なフェーズでもあることから、インパクト調査は最も重要な作業と位置づけられる。

記事はインパクト調査についての連載記事となるようだ。


『週刊 経営財務』(21.10.26)のMINIファイル記事「IFRS早期適用21社」を読む。

2010年3月期の年度連結財務諸表から早期適用可能であり、早期適用に名乗りを上げた企業は21社だという。

伊藤忠商事、キャノン、KDDI、新日本製鐵、住友化学、住友商事、ソフトバンク、東京電力、日産自動車、日本たばこ、野村HD、パナソニック、日立製作所、富士通、三井住友FG、三井物産、三菱重工、三菱商事、三菱電気、三菱東京UFJ銀行、ヤマハ発動機。

早期適用の対象となる要件は「IFRSによる財務報告について適正な体制を整備」、「IFRSに基づく社内の会計処理方法のマニュアル等を定め、有価証券報告書等で開示」などを満たす企業であり、経理財務体制の陣容等から早期適用対応できる企業は自ずと限られてきそうだ。


平成21年11月6日付けのモジュレ株式会社の適時開示情報「過去の業績に与える事象の発生及び調査委員会の設置に関するお知らせ」を読む。

開示情報によると、「一部の固定資産について、会計処理に誤りがある可能性」があるようだ。

経緯は次の通り。

今般、当社保有の資産について社内調査を行ったところ、一部の固定資産の会計処理に誤りがある可能性があり、当社の過去の決算について、修正を要する可能性のあることが判明いたしました。これにより、過年度の決算修正におよぶ可能性があることから、提出済みの有価証券報告書等についても訂正報告書を提出する可能性があります。当社といたしましては、早急に事実関係の詳細及び業績に与える影響の有無を調査する必要があることと、第三者の立場で全容の解明を行っていただくため、社外の弁護士および公認会計士による調査委員会を設置いたします。

一部の固定資産について会計処理の誤りとは何だろうか?

減価償却計算の誤り或は資本的支出の範囲の誤りなどであろうか。

調査委員会の結果をフォローしてみようと思う。

『週刊 経営財務』(21.10.26)の記事で第5四半期報告書なる存在を知った。

東証マザーズ上場の株式会社アクロディアが提出している。

その理由として、脚注に次のように記載されている。

当第5期より決算期を3月31日から8月31日に変更いたしました。これに伴い当連結会計年度は平成20年4月1日から平成21年8月31日までの17ヶ月間となるため、第5期第5四半期として四半期報告書を提出

記事によると、四半期報告書制度が導入されて初めてのケースだという。

根拠条文は金融商品取引法第24条の4の7のようだ。

第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち、第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるもの(以下この項及び次項において「上場会社等」という。)は、その事業年度が三月を超える場合は、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の期間を三月ごとに区分した各期間(政令で定める期間を除く。以下同じ。)ごとに、当該会社の属する企業集団の経理の状況その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項(以下この項において「四半期報告書記載事項」という。)を記載した報告書(以下「四半期報告書」という。)を、当該各期間経過後四十五日以内の政令で定める期間内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)に、内閣総理大臣に提出しなければならない。

平成21年11月4日付けの株式会社ノリタケカンパニーリミテドの開示情報「当社元従業員による不正行為に関するお知らせ」を読む。

開示情報によると、不正行為の判明した経緯と概要は次の通り。

元従業員は、平成21年9月末までNTLの経理部門に在籍していましたが、同年10月1日のNTLの吸収合併をもって当社に転籍しました。合併後の10月14日に、本人から上司に対し、長期間にわたり、複数回の不正な処理によって現金を着服していたとの申告があり、社内調査の結果、その事実を確認いたしました。具体的には、元従業員は経理業務を長年にわたって担当しており、受取手形の現金化の際に現金の一部を着服し、経理データを改ざんしていました。

被害額は、累計3億73百万円余と大きい。

元従業員の申告により、判明したようで、防止的な統制も、発見的な統制も機能しなかったことになろうか。

子会社という物理的な距離もあり、親会社の統制が十分機能しないリスクが高く、経理体制も人に依存せざるを得ないことから、統制が機能しずらい環境にあったことは否めないだろう。

会社は再発防止にむけて、対応を図って行くようだ。

『週刊 経営財務』(21.10.19)の記事「退職給付債務算定の「簡便法」は存続へ ASBJ 現行実務を維持」を読む。

記事によると、「簡便法を存続させることでは合意を得たが、適用要件に関する基準の建付けについては、引き続き審議が行われる予定だ」とある。

簡便法を存続させてもコンベージェンス上に影響はないという見方も記載されている。

外資系子会社で、退職給付債務を「簡便法」で算定しているケースでは、重要性で整理していた経緯を思い出した。結果的に、「原則法」と「簡便法」の差異影響額による調書や「簡便法」を採用した経緯をレポーティングする作業が必要になり、それはそれで手間であったが。

国際会計基準がアドプションされれば、「簡便法」は重要性の範疇で整理することになるのだろうか。

平成21年11月2日付の株式会社商船三井の適時開示情報「所在不明株主の株式売却について」を読む。

所在不明株主については、以前の投稿記事『所在不明株主の株式買取とは』でも取り上げた。

今回の所在不明株主の株式売却は会社法第197条第1項に基づいて行われる。

第197条第1項 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。
  1. その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの
  2. その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの

株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合や5年間剰余金の配当を受領しなかった株主等は所在不明株主とみなされる。

開示情報では次のようなスケジュールをとるようだ。

  • 平成21年11月2日 所在不明株主の株式売却に関する公告および催告
  • 平成21年2月2日 所在不明株主からの異議申述期限
  • 平成21年2月3日以降 所在不明株主の株式売却または買取り

会社の株式事務の合理化。

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