平成22年3月16日付のエムスリー株式会社の開示情報「当社子会社メビックス株式会社の過去決算に係る調査委員会の設置について」を読む。
記事によると、「当社の連結子会社であるメビックス株式会社において、売上高の前倒し計上等の不適切と思われる会計処理が存在していた可能性があることが判明いたしました。当グループとしては当該事象に関して専門家による公正な調査、報告が望ましいと判断し、本日、社外調査委員会を設置いたしました。当社は、TOB により2009 年4 月よりメビックス株式会社を連結子会社化しております。当該事象の大部分は、連結子会社化以前に行われていた模様であり、当社連結決算に与える影響は限定的となる見込みです。」とある。
組織再編前の不適切な会計処理の可能性が生じているようだ。
以前の投稿記事『連結子会社における不適切な経理処理の判明(2)』で取り上げたJVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社も組織再編後に子会社の不適切な会計処理が発覚したケースである。
3月12日付で開示情報が出ていたが、ビクター子会社の不適切な会計処理の結果、当初負ののれんを計上していたが、正ののれん(62億円)となり、資産性なしとして62億円減損処理を行っている。経営者が経営統合を意思決定し、資産性なしとして即座に62億円の損を出したことになる。おまけに継続企業の前提になる注記も記載されたということになっている。株主にとってはダブルパンチを食らった気分であろうか。
両事例とも不適切な会計処理が行われていた子会社が上場会社でもあるにもかかわらず、このようにリスクが顕在化している。最近買収や経営統合が多く行われているが、経営統合等を行う際には、こういう事後的なリスクの発生がおこらないようなリスクマネジメントを適切に実行していただきたいものだ。
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